アートを通して見えてくる、多面的な地域の魅力『NAGANO ORGANIC AIR』
皆さんは、「アーティスト・イン・レジデンス」(AIR)という言葉を聞いたことがありますか?アーティストが一定期間、ある地域に滞在し、地域との交流を通じて創作活動などを行う取組のことを言います。長野県では、平成27(2015)年度を「文化振興元年」とし、県内のさらなる文化振興を図るため、平成28(2016)年4月に一般財団法人長野県文化振興事業団に演劇や音楽、美術、プロデュースの芸術分野の専門家からなる「長野県芸術監督団」を設置しました。
芸術監督団の一人、プロデュース分野の津村卓(つむら たかし)監督の企画により、令和3(2021)年度に実施されたのが『NAGANO ORGANIC AIR』(ナガノ オーガニック エア)です。「ORGANIC=有機的」をキーワードに、アーティストとホスト(受入者)が地域で協働し、「アート」と「長野県」のそれぞれがもつ可能性や魅力を新たに掘り起こし、発展させていくプロジェクトです。令和3(2021)年度は9地域で実施されました。この事業に取り組んできた3名の皆さんにお集まりいただき、取組の内容や長野県内におけるAIRの可能性について、語っていただきました。
[座談会参加者]
プロデューサー:津村卓さん(長野県芸術監督)
コーディネーター:野村政之さん(長野県文化振興コーディネーター)
事業担当:藤澤智徳さん((一財)長野県文化振興事業団)
アーティストとホストの関係性を強く結んでこそ、互いが刺激をし合える
長野県芸術監督団事業(プロデュース分野)『NAGANO ORGANIC AIR』はどのような経緯でスタートしたのでしょうか。
津村
長野県芸術監督団では、各分野の芸術監督が、どんな事業を行うか会議を重ねてきました。僕は「創造する県を目指しましょう」というお話をさせていただく中で、自分がプロデュースするならAIRがいいだろうと思っていたんです。アーティストが地域に入り、歩き回り、人々と交流し、地域の様々な魅力に触れた時に、また別の何かが起こるのがAIR。長野県の風土や歴史、自然、野菜や果物などのように環境から生まれてくるものと、アートがうまく結びつくのではないかという思いがあったんです。また県内には多様なお祭りや伝統芸能があり、ここでも何かが起こせるのではないかと考えました。それがスタートです。そして平成30(2018)年10月に野村さんが長野県文化振興コーディネーターに就任され、芸術監督団事業、特にAIRに深く関わってくださった。『NAGANO ORGANIC AIR』と名付けてくださったのも野村さんです。
野村さんはどのように事業を組み立てていったのでしょうか。
野村
仮タイトルが『演劇版アートキャンプ』で、県内約10地域で演劇やダンスのアーティストが滞在制作を行うというコンセプトは最初からありました。当初から津村さんがおっしゃっていたのが「アーティストが地域で作品を見せたり、ワークショップをしたりして、地域の方たちが畑でつくった野菜や果物をお返しするような関係があってもいい」ということです。それで、長野県の自然の豊かさや食物の美味しさ、地域との有機的な交流を表すキーワードとして「ORGANIC」という言葉が相応しいと思いました。
- 『禅と表現 行ったり来たり』より。柴幸男さんは、飯山市の禅寺・正受庵で禅の修行をもとにしたWSを開催
- 『禅と表現 行ったり来たり』より。10月に、表現活動をしている参加者が修行期間で見つけた答えを発表・共有した
- 果樹農園直売所シアター『破戒』より。小諸高校演劇部の皆さんが石井幸一さんの演出、わかち座・黒岩力也さんが書いた戯曲を上演した試演会
- 果樹農園直売所シアター『破戒』より。公募した出演者によるリーディング公演をブルーベリー直売所を改造した空間で上演した
滞在制作とは言え、『NAGANO ORGANIC AIR』では、必ずしも完成作品の発表を求めていませんでした。その狙いはなんだったのでしょうか?
野村
私自身がアーティスト側のメンバーとして芸術祭に参加して、地域に3週間滞在し、最後に作品の発表をするという形でのAIRの経験が何回かあります。その時に毎回、地域のことを知りたいと思いながら、創作作業を優先するためにスタジオに籠りきりになってしまうジレンマを体験していました。『NAGANO ORGANIC AIR』では、これを踏まえて、地域のことを知ったり、地域住民の側からアーティストへの関わりも芽生えてくるように、事業の構成を工夫しました。
津村
僕もサントミューゼ(上田市)の館長時代にAIR事業を行い、同じような感触を持っていました。アーティストは多い人で1年間に6回ぐらい上田と行き来していましたね。そうすると3回目くらいの訪問から地域の皆さんと深い関わりができていくんです。ですから『NAGANO ORGANIC AIR』でも作品のアウトプットをマストとするのではなく、アーティストが地域と出会い、触れることの重要性を大切にした、継続できる事業の入口をつくろうと考えたわけです。
野村
仕組みとしては「成果発表は求めない」のですが、結果的に半分以上のアーティストが地域で創作した作品を発表しました。アーティストという存在は、面白いことや未知のことに出逢ったらそれを作品にして人々に見せたいんです。「発表が目的ではない」と言い切ることで「地域との出逢い」が生まれ、「出逢いが埋め込まれた新しい作品」が創作される。逆説的なようですが、アーティストを理解し、信頼して「後の先」をとるのが上手なやり方だと思います(笑)。
- 『生きることとアートの呼吸~Breathe New Life』より。長野県内で開催された展覧会、芸術祭などを鑑賞して回った
- 『生きることとアートの呼吸~Breathe New Life』より。犀の角の代表・荒井洋文さんから上田市での活動について聞いた
- インドの演出家、シャンカル・ヴェンカテーシュワランさんによる『犯罪部族法』を元につくられた映像作品を上田映劇にて上映。上映前に犀の角の荒井洋文さんが企画説明をした
- 『犯罪部族法』の映像作品を上映後、犀の角に場所を移して、演出家や出演者らによるオンラインディスカッションを開催。多言語が飛び交う刺激的な時間となった
『NAGANO ORGANIC AIR』のホストになった地域はどのように決められたのでしょうか。演劇分野の串田和美(くしだ かずよし)監督が県内各地に演劇作品を届ける『トランクシアター・プロジェクト』を実施した地域が継続しているところもありますね。
野村
芸術監督団事業は人づくりを目的の中心に据えてきました。ですから『NAGANO ORGANIC AIR』ではホストとして、県内に暮らしている皆さんの働きが見えるようにしていくということを始めから目指しています。先立って、串田和美監督が手掛けていた『トランクシアター・プロジェクト』で巡った地域がありましたから、そこの方たちに継続して芸術監督団事業に関わっていただくとともに、今回のコンセプトと今後の県の文化事業の方向性に関係する地域の団体を探しました。
津村
文化事業と言った時に、もちろんエンタテインメントを求めていらっしゃるお客様もたくさんいらっしゃいますし、最新技術が必要な興行は体力がある文化施設でしかできないこともあります。それらはすでに実現されているのですから、違う切り口を立てようということですね。例えば、サッカーのJリーグの地域理念を文化事業に当てはめると、J1の試合をするのではなく、初めてサッカーと向き合った地域の子どもたちや大人たちが、J1の選手と一緒に練習や試合をすることで、地域の中でサッカーをもとに新しい価値感を見出す取組のようなものだと思うんです。これからの時代にはそうした活動が重要ではないでしょうか。
受け入れる地域の課題や目標に寄り添った滞在アーティストのマッチングを心がけた
地域とアーティストのマッチングについて、いくつか例を紹介していただけますでしょうか?
野村
まず『NAGANO ORGANIC AIR』なのだから、農業や土との関わりが必要と考えたのが小諸市での企画です。わかち座の劇作家・黒岩力也(くろいわ りきや)さんはブルーベリー農家でもあり、千葉県で梨農家を営んでいる演出家の石井幸一(いしい こういち)さんのことを知っていたので、この顔合わせが浮かびました。木祖村は「木曽ペインティングス」の取組として旧旅館を改装したアーティスト滞在施設の構想があるのを聞き、この機会を活用してもらおうと。滞在していただいた武井琴(たけい こと)さんはダンスをコマ撮りした映像作品をつくられていたので、絵画同様の展示にも馴染みますし、木曽ペインティングスの若手アーティストと仲良くなって、木曽地域で継続的に活動してほしいという期待を込めました。
南信の阿南町も、他所とは違ったテイストを感じます。
野村
南信州の民俗芸能・伝統文化は長野県の宝、もっと言えば全国的な宝です。これを今回の事業に絡めたいというのが出発点でした。「新野だら実行委員会」の金田信夫(かなだ しのぶ)さん、渚(なぎさ)さんとのつながりが糸口となって実現しました。阿南町新野は「盆踊り」「雪祭り」の二つの国指定重要無形民俗文化財がある特別な地域で、年中行事を大切にしている住民の皆さんは、神仏の気配を感じながら日常を暮らしている。この空気を吸って、地域を理解しながら魅力を発信する戯曲を書ける人ということで、イタコの習俗がある青森県出身の劇作家・山田百次(やまだ ももじ)さんを選びました。
津村
当たり前のことですが、『NAGANO ORGANIC AIR』を通して、改めてキャスティングの重要性に気がつきましたね。素晴らしいアーティストだったら誰でもいいというわけではない。
野村
アーティスト選びは受け入れ側のモチベーションが上がる存在であることもとても大事だと実感できました。
- 『倒立と四足歩行の研究・軽井沢編』より。倒立ワークショップ『カラダのことがよくわかるようになる倒立WS』の様子
- 『倒立と四足歩行の研究・軽井沢編』より。身体研究家・サーカスアーティストの渡邉尚さんが「ロナルド・ヴェンチューラ展-内省」の展示の中を四足歩行
- 『北アルプス展望ダンスプロジェクト NORTH ALPS VIEWING DANCE PROJECT』より。千田泰広さんの作品中でダンス映像を撮影する平原慎太郎さん
- 『北アルプス展望ダンスプロジェクト NORTH ALPS VIEWING DANCE PROJECT』より。10月の滞在では池田小学校・会染小学校の2校で滞在制作を実施した
- 『あまるほど踊る安曇野ダンスマッピング』より。ダンスユニット…1[アマリイチ]は「うちそと駅伝」と銘打ち、安曇野市内11ヶ所でダンスを披露した
- 『あまるほど踊る安曇野ダンスマッピング』より。河川敷で拾ってきた石を、安曇野市内を流れる川に見立てて並べた空間で新作『イチニタスアヅミノノ』を上演
藤澤さんはどのような関わり方をしていたのか教えてください。
藤澤
僕たち運営チームは、マッチングが決まったところで現場を動かしていく立場でした。どの地域のホストも郷土愛、地域愛にあふれている方々ばかりで、アーティストをいろいろなところに案内してくれたり、地域にどんな歴史があるのかを非常に丁寧に説明してくださいました。それこそ惜しみなく。
現場ではどんなことが起きていたのでしょうか、いくつか紹介していただけますか。
藤澤
小諸の黒岩さんはブルーベリーの直売所の建物を劇場空間に改造していたんですけど、定期的に石井さんがやって来て、いろいろな使い方をしてくれることに大きな刺激を受けたようです。伺うたびに空間に手を入れ、変化させていらっしゃいました。
野村
それとともに近隣の高校生も巻き込んだり、公演を行ったり、どんどん創作の場、創造の場になっていきましたね。石井さんと黒岩さんが、直売所をアトリエにしている、農家の跡取り同士だという共通点も大きかったようです。
藤澤
安曇野市教育委員会の三澤新弥(みさわ しんや)さんは、アーティストに張り付いて、安曇野市が合併する前の5町村すべてをくまなく、丁寧に案内してくださり、アーティストが常念岳に登りたいと希望した時は、係の皆さんが一緒に登ってくださった。係の中で登山経験がなかったお一人が、これをきっかけに登山に目覚めたそうです。
野村
飯山市でも面白いことがありました。臨済宗(りんざいしゅう)の正受庵(しょうじゅあん)の和尚さんが毎月1日と15日に托鉢(たくはつ)で市街を回るんですけど、僕らもついて回ったんですよ。
藤澤
正受庵さんはホストである「飯山市文化交流館なちゅら」の池田春彦(いけだ はるひこ)さんの紹介でしたが、「なちゅら」のロビー(ナカミチ)も托鉢のコースに入れてほしいとおっしゃって。以来、事務所に托鉢が来るとお米や野菜を差し上げているそうです。寺の町、飯山らしいエピソードが生まれました。
アーティストによってホスト側が影響を受けた例という意味では、マッチングの妙が発揮されたということでもありますね。
津村
それは長野県が持っている潜在的な力みたいなものだと思うんです。少し刺激すると秘めていた想いがどっと出てくるというか。
野村
私としては、どこの地域でやっても同じことになるような形式的なAIRプログラムや文化事業を粗製量産するのではなく、有機栽培のおいしい野菜のようなプログラムを行いたい、『NAGANO ORGANIC AIR』はその想いに尽きます。
そしてその結果が出たのは、藤澤さんはじめ運営チームが現場で頭を使ってきめ細かくサポートしていたからで。例えば軽井沢は連日の雨で、浅間山や修験道のスポットで映像を撮るという予定がすべて中止になってしまったんです。
藤澤
5、8月に身体研究家/サーカスアーティストの渡邉尚(わたなべ ひさし)さんが滞在されたのですが、ほとんどの日が雨でした。その時に、美術分野の芸術監督団事業『シンビズム』で関わってくださった軽井沢ニューアートミュージアムや小海町高原美術館の学芸員の皆さんに相談したところ、撮影を快く受け入れてくださいました。小海町高原美術館では、渡邉さんと以前から繋がりのあった画家のスズキコージさんの展覧会が開かれていて、予期せぬコラボレーションに発展しました。『シンビズム』の取組があったことで、アーティストの方にも満足していただく結果になったのは良かったです。
津村
『トランクシアター・プロジェクト』(演劇分野)や『シンビズム』(美術分野)と芸術監督団でやってきた事業が部分、部分でクロスしていたわけです。
ホストの周囲にもつながりが広がっていったのも注目したいポイントです。
野村
阿南町の企画では、関係人口を増やすための一つの方法として『NAGANO ORGANIC AIR』の取組を位置付けています。新野地区の小中学校を存続することが、地域の伝統文化を継承していく上で重要な課題である中で、子どもの数を維持するために金田さんたちが、山村留学や移住の受け入れ支援を草の根でやっている。地域の皆さんが抱えているこうした課題を引き受けて、新野の文化的な魅力を地域が再認識し、地域の外に発信するために“新野の戯曲”を創作する取組があるのです。
- 『うた・おどり・ものがたり/NIINO-AIR 2021』より。阿南町農村文化伝承センターなどをリサーチし、「新野の盆踊り」を教わった
- 『うた・おどり・ものがたり/NIINO-AIR 2021』より。山田百次さんは、阿南町に伝わる「新野の盆踊り」をもとに短編演劇『新野物語』を執筆・上演した
- 『木曽アート・ダンス留学』より。武井琴さんは、木祖村の薮原祭をリサーチ
- 『木曽アート・ダンス留学』より。武井琴さんは、木祖小学校で、薮原祭りにちなみ、お面への絵付けとダンスのワークショップを実施した
- 『みちのちのダンススケープ』より。森下真樹さんは「未知の茅野」をテーマに市民参加のダンスワークショップを実施
- 『みちのちのダンススケープ』より。石川直樹さんは11月に茅野・諏訪・八ヶ岳のリサーチをもとにトークイベントを開催した
アーティストをサポートする人材の掘り起こし・支援も必要
さて、新野での作品上演の際には継続を希望するコメントも出ました。次につながる動きも出てくるでしょうし、違う地域で動きが起こるかもしれません。そして『NAGANO ORGANIC AIR』の可能性という意味も含め、今後の取組はどう考えていらっしゃいますか。
津村
県には今後10年は丁寧に続けてほしいと思っています。ただ僕らも学んだことがたくさんありますから、そのことを踏まえた上で進めていきたい。地域もまだまだたくさんある。お祭りもすごくたくさんある。野村さんがおっしゃったように課題を抱えているところもあるでしょう。だからこそ地域と丁寧に、向き合っていく必要性を感じます。ただこればかりは1年で成果を出せたところ、あるいは10年は付き合わなければいけないところと、きっと濃淡が出てくるとは思いますが。
野村
県として掘り起こしをして、行政の関わりがあるところは市町村と協働したり事業を引き継いでもらったりして、継続して取り組んでもらえたらいいなというのが一つのあり方です。また、民間のホストの場合には、いろいろなところからの支援を受けられるようにサポートしていけたらと思います。いずれにしろ、それぞれの地域でビジョンを持っているプレイヤーを後押しして光らせていくのも僕らの仕事だと思います。
津村
地域にいるコーディネーター的な方やアーティストへのサポートは非常に大切ですね。
野村
津村さんがおしゃるように10年、それだけの時間をかけて「アートをサポートするとこんなことが起きる」という事例をたくさん生んで、「自分たちもアーティストやアートの取組を応援したい」というサポーターが増えていくような展開になっていくといいなと思います。
藤澤
僕自身もコーディネーター、アートマネージャーという立ち位置で活動したのは初めてでした。丁寧に事業を進めようとする中で、僕たちは主催側ですが、あくまでも地域のホストの方々とアーティストがうまく関係を築けるように、それぞれにメリットや新しい発見が生まれることを目指しました。それこそが長野県の重要な宝になるものなのだと思います。
今回の座談会を通じて、長野県を「創造する県」に、という津村監督のビジョンが、AIRの取組の中で、具体的な形として浮かび上がってきていることが分かりました。長野県が潜在的に持っている魅力や価値が、地域のホストとアーティストの皆さんによる、人と人との関わり合いによって見えるものになっていく。地域の可能性が少しずつ拓かれようとしているのかもしれません。
長野県芸術監督団事業は、演劇、音楽、美術、プロデュースの分野で6年間に渡って実施され、令和3(2021)年度が集大成となります。今回のお話にあるように、それぞれの分野での取組の蓄積が『NAGANO ORGANIC AIR』の土台になったり、企画を高める繋がりとして作用したりしたことは、「創造する」事業を継続して実施してきたことの成果でもありますし、また、今後の長野県の文化芸術の発展に向けた「土づくり」「畑づくり」とも言えるものだと感じました。
取材・文:いまいこういち
座談会撮影:三好祐司
長野県芸術監督団事業「NAGANO ORGANIC AIR」は、国内外から演劇やダンス、映像など様々なジャンルで活躍するアーティストやカンパニーを招聘し、長野県内の公立文化施設や民間レジデンス施設、空き家や貸別荘等を用いて滞在制作を行うアーティスト・イン・レジデンス事業です。