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のべのかぜ

5月の終わり頃、詩人 ウチダゴウさんに詩を書いて欲しいと依頼した。
今より街にも人にもずっと余裕が無かった。外を歩く人もまばらで スーパーからトイレットペーパーやマスク、保存の利く食料品などが無くなった。
COVID-19という病気はもちろん怖い。だが、罹患してしまった人に「この街から出て行け」と簡単に言い放てる人が出てくることに少なからずショックを受けた。未知の恐怖に対する不寛容と猜疑心。仲の良かった隣人が豹変するような社会がやってきてしまったような気がした。

そんな自分の思いは口に出さなかったが、ゴウさんから上がってきた詩は奇しくも『社会あっての個人ではなく、個人の意識や行動の結果こそが社会だ』と言っていた。お題目的に隣人を愛せ、というのでは無くて「その他者に関わって生きている自分をまず確かにし、守り、愛せ」というメッセージだった事に一つの指針を得た。

歌詞として書かれたものではない『詩』に曲をつけて歌ってもらう、というのは本来、ミュージシャンとして活動する ささきりょうたさんにとってかなり癖のある難しい依頼だったように思う。けれども、ささきさんの どこか飄々としているけど 優しい声がこの詩に乗った時、まさしく目の前に『のべのかぜ』が涼やかに通り抜けた気がした。

本当に大切なこととは すぐに理解できることではない。声高に叫べば みんなが耳を傾けて聞いてくれる、というものでもない。時には一陣の風のようにただ目の前を過ぎ去っていく。

軽やかだけど、確かなメッセージを孕むものとなった『のべのかぜ』。詩人ウチダゴウさん、ミュージシャン ささきりょうたさん。両者のコラボレーションをご覧頂ければ幸いです。

作品データ
制作者 平林岳志
プロフィール 平林岳志
丹澤由棋
折井康弘
ウチダゴウ
ささきりょうた

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